【短】L‐song


「もしかして…高原くんもこの本使う?」

小宮はオレがさっきまで探していた本を指差した

「あ あぁ」

「そっかぁ…じゃあ……使い終わったらあたしに知らせてくれない?」

「えっ?あー小宮先使いなよ」

「いいよ~高原くん先で」

「オレバイト忙しくていつ課題終わるかわかんねぇし…もしかしたら期限ギリギリになるかも…だったら小宮先使ったほうがいいだろ?」

「う~ん…」

「小宮が使い終わったら連絡くれよ!」

「…わかった じゃあそうするね ありがとう」


自分が先に借りることにしぶしぶだった小宮も納得したみたいだ

「じゃあ オレもー帰るわ」

「今日もバイト?」

「そっ!家で一眠りしてからだけどな」

「そんな生活して…体調くずさないようにね?」

「分かってるよ じゃあな」

「うん バイバイ」





オレは家に帰った
まさか図書館で会うとは思ってなかった
そういえば…一瞬だったけど 手に触れたんだよな

なんか恥ずかしい



自分でも顔が赤くなっていくのを感じた


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