sweet bitter valentine
「なー、いらねー袋とか持ってない?」


アイツにそう話しかけられたのは、昼休みも半分を過ぎ、行列を作っていた女子たちがひと段落ついた時だった。

「持ってるけど」
「あー、じゃ、それちょうだい?これ持って帰るのさすがに大変だ」
「…自分の袋持ってくれば良かったのに」
「ばっ、バカヤローっ!そんなん持ってきてたら、最初からもらう気満々って感じして、恥ずかしいだろうが!」
「最初からもらう気満々だったじゃん…」
「それとこれとは別!あ、サンキュー」

袋を渡すと、アイツは笑顔で私にそう言った。はあ、やれやれ……

いっそのこと、チョコ渡しちゃおっかな…


そう、私はアイツのことが好きなのだ。
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