sweet bitter valentine
アイツを好きになったのは、四月、このクラスになってすぐのことだった。
きっかけは些細なことだった。
「あっ、それ持つよ」
「え?わ、悪いし、いいよ」
その日、私は日直で、皆の提出した大量のノートを職員室に持って行く途中だった。
「私、力持ちだから…」
「遠慮すんなって、こーいうのは、男の仕事なの!」
「…ありがと…」
私はテニス部に入っていて、腕力もあったので、体格がいいわけじゃなかったけど、男子から女子扱いを受けた経験はそれまでほとんどなかった。
その日も、誰も私のことを手伝ってくれるとは思っていなかった。一人でできるし、女の子らしくないのは自覚が有るから、男子から女子扱いされなくても、そう大して傷つくこともなかった。
でも、私はこの時恋に落ちた。
簡単な奴、単純な奴と思われるかもしれない、男の子にちょっと優しくされたからって好きになるなんて、我ながら恋愛経験無さ過ぎだろう、と。
けど、好きになっちゃったんだからしょうがないじゃん、私はそう思う。
きっかけは些細なことだった。
「あっ、それ持つよ」
「え?わ、悪いし、いいよ」
その日、私は日直で、皆の提出した大量のノートを職員室に持って行く途中だった。
「私、力持ちだから…」
「遠慮すんなって、こーいうのは、男の仕事なの!」
「…ありがと…」
私はテニス部に入っていて、腕力もあったので、体格がいいわけじゃなかったけど、男子から女子扱いを受けた経験はそれまでほとんどなかった。
その日も、誰も私のことを手伝ってくれるとは思っていなかった。一人でできるし、女の子らしくないのは自覚が有るから、男子から女子扱いされなくても、そう大して傷つくこともなかった。
でも、私はこの時恋に落ちた。
簡単な奴、単純な奴と思われるかもしれない、男の子にちょっと優しくされたからって好きになるなんて、我ながら恋愛経験無さ過ぎだろう、と。
けど、好きになっちゃったんだからしょうがないじゃん、私はそう思う。