貴方に見せられて



「綺、急にどうしたの?
合コンに行こうだなんて?」

綺「もうそろそろ結婚しないと
ヤバイかなって…」

「本当は?」


なにかを隠そうとする綺に

苛立ちを表す私

そんな私を見てヤバイと思ったのだろう

観念して綺が口を開いた


綺「…妹の怜(りょう)がIT社長と結婚する
事になっのよ」

「で?」

綺「父親にお前も早く結婚しろ、
期限は一年。それまでに彼氏
に会わせろっていうのよ!」

「…理不尽ね」


一年以内に彼氏をねぇ

男より仕事の綺に?

無茶ぶりもいいところね


綺「でしょ?!連れてこなかったら俺
の決めた相手と結婚しろって
いうのよ!信じられる?!」


綺が言い終わると

お店の人が料理を運んで来た

綺はフルーツパンケーキと

ブラックコーヒー

私はチキンサラダパンケーキと

ブラックティー


「それはお気の毒。
しゃあない、一肌脱ぎますか
それで、合コンになに着てく?」

綺「ありがとう、仁!
服はこれから一緒に
買いにいきましょう?
親の決めた相手と結婚なんて
まっぴらごめんよ!」


「クスッ、了解」


しゃきしゃきした野菜に

さっぱりとしたドレッシング

パリッパリの皮の鶏肉

ふわっふわのパンケーキに

甘過ぎないシロップ

砂糖をあえて入れずに

ブラックティーを飲む

「幸せ~」

そう言った私に綺は


「他人事だと思って」


と毒ずきながらパンケーキを食べ始めた














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