貴方に見せられて
車が出発してから男は電話をしている
?「すみません、はい。
今は怪我をした女と
その連れを乗せて…」
数分して電話を切ると窓を開け
タバコを吸い始める
「ねぇ、どこの病院に向かっているの?」
?「掛かり付けの病院って言ったろ」
「…やぶ医者じゃないでしょうね」
?「そこは安心しろ、腕は確かだ。
… 木野下 徹平(きよしたてっぺい)」
「え?」
木「俺の名前だ。知っておいた方
がいいだろう。お前の名前は?」
「神木綺よ」
木「神木綺…いい名前だ
安心しろ。俺が見た感じじゃあ
仁は 頭打って気絶してるだけだ」
「なんで仁はの名前…」
木「お前が何回も名前呼んでるからな」
「…それもそうね」
仁、お願いだから死んだりしないでね
まだまだ仁と一緒にやりたい事が
沢山あるんだから
木「ついたぞ」
そこは病院というよりは
ホテルのような建物だった
車が入口の前に止まると
いかにも医者ですオーラを放っている
年を召した女が
タンカーを抱えた男の看護師を
二人連れて出てきた
?「テツ坊、けが人は?」
木「後ろに乗ってる」
?「そうかい、あんた達」
看「「はい」」
木「綺、降りろ」
木野下に言われて車を出た私を見て
女の医者は驚いた様子だったが
すぐに元に戻った
男の看護師達は仁をタンカーに乗せると
タンカーは走りだす
女の医者は走りながら
仁の頭をさわり指示を出す
そして仁を乗せたタンカーは
検査室に入っていった