初雪〜あなたがいたから〜
あたし達は2人並んでバスの座席に座った。
「いや〜、まさか勝っちゃうとはな〜」
いや宙斗、絶対勝てるって思ってたでしょ。
だって、今の笑い方が黒いもん。
「もう少しで勝ったのにさ〜」
あたしは、頬を膨らませる。
「はいはい、泣くなよ〜」
泣いてないですけど!?
むすっとなったあたしを宙斗が笑う。
「はいはい。」
ポンポン
「!!」
えぇぇ!何!?
今、自然に頭ポンポンされたんだけど!?
うぅ、やめてよ。心臓がもたなくなっちゃう…
あたしは顔を下に向けた。
「あれ、照れてるの?」
「ちがっ…照れてないもん!」
照れてるけど!
「ふーん。」
宙斗め、また黒い笑顔して。
「じゃ、もう1回しても平気だよな?」
うん、無理だな。
「ごめんなさい、ちょっとだけ照れました。」
「そうそう、素直にいこうね〜」
うぅ、悔しいよ〜