天敵は恋仲




私が担当しているのは国語科で、主に古典を見ることが多い。対象は高校生で、受験生にとっては勝負の夏がやってくる。


それには塾講師とて、全力で立ち向かわなければいけない。私たちの努力で結果も変わるものだ。


私が務めているこの塾は、都心にある結構大きめなところで、生徒も講師も結構な人数がいる。


そのため、講師室は科目によって分けられている。つまり、あの清水という男も担当しているのは、国語科なのだ。


見た目が爽やかなため、生徒(特に女生徒)からの人気はとてつもない。毎日質問という名目で列が出来るくらいだ。


私だって最初はそう思った。あ、いい人そうって。だけどそんなのすぐ裏切られて、デリカシー無男だと分かってから、今のような関係に至るまではそんなに時間もかからなかった。




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