冷たくて優しい先輩
「いえ!そんな!私がしつこく聞いてるみたいなものですし……」
あの水族館に行った日
メールで初めて悩みのことを聞いてみると、やっぱりお母さんのことが悩みごとの1番深刻なものだった。
「誰にも言ったことないのに、春波に話して、少し楽になった。色々助けてもらってるし、今度は俺が力になりたい」
ヨウ先輩はそう言って、私の頬の涙を拭った。
「また泣いてる」
「だって、嬉しいんです。私、先輩の役に立ててますか?」
「うん、立ってる。すごく立ってる」