冷たくて優しい先輩
こればっかりは言わないけど、本当はこの後そういうふうになるのかなって思うようなことは一度だけあった。
ある時、デートの帰りに先輩の家へ寄ると
たまたま大翔くんはお父さんと外出していて誰もいなかった。
私はいつも通り、先輩の部屋で他愛もない話をしていて話が途切れた時、先輩が私にキスをした。
何度も角度を変えるキスに、息が出来なくなって、息を忍ばせると、自分のものとは思えない声が漏れた。
そう、あの長浜先輩とその彼女がいつかしていたキスみたいな。