冷たくて優しい先輩




それが先輩との最初の出会い。




二度目に会ったのは、
私がここの近くを用事で来た時、バスで帰ろうと思い、またバス停に行った。




あのベンチに座っている人がいた。


よく見てみると、あの時助けてくれた先輩だった。


声をかけようと思い、近くに行くと
肩を震わせて泣いていた。





何か、何か言わなくちゃ。
あの時助けてくれたのに、私が見てみぬ振りをしてどうするんだ。


そう思ったけど、どうしても声をかけることが出来なかった。




あまりにも悲しく泣いていて、意気地なしの私には近寄れなかったのだ。





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