元スキな人★
すると観衆からこんな声が聞こえたんだ。
「これって一方通行じゃん。彼女ちゃんは彼氏と大,どっちがスキなの?」
俺はその言葉を聞いて,硬直した。
俺の……一方通行…?
凛は如月の元へ駆け寄る。
行くなよ……
行かないでくれ。
凛,お前は俺のすべてなんだ。
そんな思いも虚しく,凛が,如月が運ばれて行くのを見届けると俺は凛を抱き抱えて塩谷の元へ向かった。
凛は…震えてた。
「南…瑠璃は……?」
…春日……
………春日?!?!
「えっあいつ…どこに?」
「南が突き飛ばしたんでしょ」
「…」
そうだ。
俺が突き飛ばしちまった。
「もういい。南なんか」
凛は俺から離れると,走って行ってしまった。