先生と、ひとつ屋根の下




「はぁ」


先生が、私の隣に座ったのが分かった。








「最後だけだけど、見たよ。試合」



私のせいで負けた試合……見たの……?




「みんな、強豪校相手にビクビクしながら試合してるように見えた。
もちろん、青木も」




春季大会の優勝校だから………





そんな考えが、



頭のなかを支配していたのかも。









「でも、青木がフリースローで同点になったとき、チームのみんなも、その親御さんも、聞いたことないような歓声が上がってた。お前の入れた得点のおかげ。




最後に決められたシュートは、お前の怪我のせいじゃない。

だって、ファウルにならなかったら、フリースローのチャンスは手に入らなかった。それまで互角だったけど、相手の方が優勢だった」





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