先生と、ひとつ屋根の下
「明日、お前が吉町と二人で回る前に、二人になりたかった。惨めな自分になる前に」
「じゃあ…あのとき、断れって言ってほしかったです………。
吉町くんと回ればって言われて……
遠回しに振られたんだと思ってました。」
「それが言えたらこんなところでこんなことしてない。」
先生に、何回涙を拭いてもらうんだろ…私。
…‥でもこの先、泣いちゃったときは、
先生に拭いてほしい。
「……戻りたくねぇな」
「わ…私もです」
帽子を被った状態で、
つばがぶつかるだけで、
笑ってしまう。
「あっちに面白そうなおみくじがあった。やってみない?」
「は、はい」
「その前に、もう一回涙拭かないとな」