先生と、ひとつ屋根の下
「でもさ栞、」
あかりの目が、真っ直ぐ私を捉えた。
「うん、」
「傷つけないようにって考えてるんだったら、間違いだよ。」
「え…?」
「振られるのに傷つかないやつなんていないよ。誰でも好きな人に振られたら悲しくなるし、引きずるし、苦しい。
でも、気を遣われると、もっと苦しい。
モヤっとした気持ちが残るだけだよ」
「うん…。分かった。
って、沙紀ちゃん寝てるし」
「まだまだこれからなのにね。
ところでさ、栞。
沙紀が寝たから訊くけど、
栞って、
栗原先生と付き合ってる?」