先生と、ひとつ屋根の下
彼女 *先生side*
目が覚めて、
いつも最初に確認することは、
隣にはもう誰もいないってことだ。
栞がいなくなって、
3日たって、このザマ。
栞は今ごろ、
新しい家族と仲良くやってるのか……。
────────………‥
『……だからさ、お兄ちゃん。お金貸してくれない?』
「なんで一人でなんか…」
『だって、奥さんいるんだもん。この子の父親。認知は出来ないって言われて。中絶なんて人殺しだもん、出来ないよ』
栞がいなくなった頃、
何年も話をしていなかった妹から電話が来た。
『お兄ちゃんの勤めてる高校で待ってるからっ…』
「お前…妊婦なんだよな…!?
寒いのに外でなんて……」
『うるさい!分からずや!』
ブツッ…ツー,ツー,…
分からずやって…………