先生と、ひとつ屋根の下




「もしもし、青木さんの担任の栗原です」



『あら、こんな遅くにどうしました?』



「こんなことを私が言うのはおこがましいことなんですが。
青木さんはバスケ部のキャプテンとして、大事な大会を控えてるんです。
どうか、彼女に協力出来ませんか」




『協力って、…おっしゃってる意味がよく分からないんですけど。』




「彼女は大事な部活を切り上げて、あなたのお子さんを迎えに行ってるんです。」




『ええ…だからなんなんですか?こんな遅くに…』



「男と遊んでいる時間を、あなたの大事な息子さんに費やせないのかって言ってるんです」





後悔…した。








栞を、手放したことを。















本当に婚姻届を出してればよかった。














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