先生と、ひとつ屋根の下
「親戚の家に行こうと思います。
凄く嫌がられてるけど、面倒はみるって言われたので……。
生活費も毎日ギリギリだったのに、
お母さんが遺してくれたお金は、もっと大事にしたいから………
引っ越すことにします……」
担任の栗原先生は、
ただ私の話をじっと聞いていた。
「せっかく、バスケ部のキャプテンになれたのに退学するのか?」
「バスケなら…どこでもできます」
「秋季大会は全国行くって張り切ってただろ」
そうだよ。
張り切ってたよ。
お母さんが観覧席に座ってて、
私がゴールする度に、
大きく大きく拍手してくれたもん。