先生と、ひとつ屋根の下
「そういえば栞。進路は?この前の進路調査で進路希望が空欄だったのお前くらいだぞ」
お昼を過ぎた頃。
不意に先生が言って、
そうだった、って思い出した。
「大会前だったし、忙しいだろうから追求しなかったけど、どうするの?」
進路……
特別、何かになりたいって夢はない。
ただ、大学に行くんだろうなって、漠然に考えてた。
「決まってません‥‥‥‥」
「もう3年の一学期が終わるし、
夏休みにでもゆっくり考えたいけど、
お前はまだ引退じゃないからな…。」
「……先生は、なんで教師になろうと思ったんですか」