先生と、ひとつ屋根の下
「え?俺…は、………いいよ俺の話は」
「いいじゃないですか。参考にさせてください」
「………参考にならないから。」
「え、そんなの分からないじゃないですか」
「………数学が好きだったんだよ。」
あ‥‥‥‥
確かに私には参考には‥‥
「教師は生徒に詳しく分かってもらうために、さらに勉強しなきゃならないから……
教師になれば、教えながら、教わることができる。
だから数学教師になった」
「そうなんですね……。」
「国語も日本史もボロボロだったけど、
数学だけは誰にも負けたくなくて、必死に勉強したから。
お前も今から数学必死に勉強すれば…」
「もう無理です。あと半年じゃ、平均以上は‥‥」
「ははは。でも、なりたいものなんて、案外些細なところから生まれるよ。」
そうか‥‥。
何か、やりたいことか………。
好きなことって何?