先生と、ひとつ屋根の下
闇の中
「栗原さんのご家族ですか?」
突然、看護士さんが、話しかけてきた。
「は……はい…………‥‥‥」
「最善は尽くしました。
あとは、栗原さんの意識が戻るまでが勝負です」
先生の眠るベッドの側に、
ゆっくり腰を下ろした。
先生の右手を握りながら、
お医者さんの説明を聞いたけど……
内容が…全く入ってこなくて。
「…ですので、最悪の場合も考えられます。
ただ、意識が回復するのを待ちましょう」
そんな言葉に、
息することもできないような苦しさが込み上げて。