先生と、ひとつ屋根の下

闇の中







「栗原さんのご家族ですか?」





突然、看護士さんが、話しかけてきた。






「は……はい…………‥‥‥」





「最善は尽くしました。
あとは、栗原さんの意識が戻るまでが勝負です」








先生の眠るベッドの側に、




ゆっくり腰を下ろした。





先生の右手を握りながら、




お医者さんの説明を聞いたけど……





内容が…全く入ってこなくて。






「…ですので、最悪の場合も考えられます。
ただ、意識が回復するのを待ちましょう」





そんな言葉に、




息することもできないような苦しさが込み上げて。










< 462 / 544 >

この作品をシェア

pagetop