先生と、ひとつ屋根の下
「……先生、栞に心配させないように、早く良くなってくださいよ。」
「……ん…。……ごめん、ちょっと…調子悪いから…寝る」
「……じ、じゃあ、あたし帰ります。二人の邪魔しちゃ悪いし」
「私も一旦帰る。先生寝てて」
「……ん。栞、角田、気を付けて」
「「はい」」
病院を出るまで、
私も、栞も、
何も話さなかった。
「………あたしさ、もっと…軽い怪我…だと思ってたわ…。」
「うん……。本当は、いつ目を覚ますか、お医者さんも分からないって言われてて、昨日の朝目が覚めたとき、奇跡だと思った。」