先生と、ひとつ屋根の下
「それじゃあ、失礼しますよ」
走って、
病棟の奥のほうに逃げた。
やっぱり、教頭……
エレベーターに乗ったのを見てから、
病室のドアをノックして、開けた。
「……教頭と、鉢合わせしなかったか…?」
「してません。……具合、どうですか」
「……微妙…。でも、お前が来てくれてよかった。」
「私も早く先生に会いに来たかったですよ。……話、聞いちゃいました……。」
「……うん。ちゃんと卒業式まで、お前たちの担任でいたかったんだけど。」
「…いえ、早く怪我を治す方が大事ですから。」
ちゃんと私、
平気な顔できてるかな…?
本当は凄く嫌だよ。
卒業証書授与のとき、
担任に名前を呼ばれるとき。
栗原先生に、呼ばれたい…………のに………。