先生と、ひとつ屋根の下
会場が開くのは8時半。
ウォーミングアップをして、
いよいよ中に入る。
「青木先輩!あの場所、私たちが取られないようにしますね!」
「え?」
後輩の二人が、
小さな声でそう言った。
「ギャラリー北側の、3ブロック目の、前から二列目の、一番左の席です!」
その席は………いつもお母さんが座ってた場所。
『ここはこの体育館のど真ん中だから、栞がどこで試合になっても、ちゃんと見えるの』
「へへへ…ありがとう!」
「はい!!」
後輩が、こんなに優しくて頼もしいなんて。
この部活の、部長になれてよかった。