お前、俺のこと好きだろ?
だってお前、可愛いじゃん



「別れよう」



高校2年生になって間もない春の頃、半年付き合っていた彼氏に屋上で別れを告げられた。



「えと……なんて?」



私、橘小春は突然のことに頭が追いつかず聞き返す。



「俺達、別れよう」



「……あ……うん。わかった」



私は、笑って彼にそう答えた。



ううん、違う。本当は離れたくない。



彼は、そんな私の本音に気づくことも無く……屋上の扉を閉めて戻っていった。


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