お前、俺のこと好きだろ?



もうすぐ、夏なのに。
全く、寒くないのに。



なんで、高畑くんに触れていたいんだろう。



私は、抱きしめてきた高畑くんの体操服をギュッと握りしめた。



「ん?」



「……もうちょっとだけ」



「離れたいって言ったくせに?」



高畑くんは、意地悪だ。
私からは見えないけれど、きっと意地悪な顔をして笑っている。



離れたいのに、離れたくない。


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