お前、俺のこと好きだろ?
「佐田くん、ありがとう!」
私は、口パクじゃなくて、ちゃんと声に出してそう言った。
さ、これからどうなるんだろう。
隣で歩く高畑くんは、私とは違って無表情。
むっ……やっぱり、ドキドキしてるのは私だけで、きっと楽しみなのも私だけなんだ。
それでも、いい。
今日は一緒にいてくれるだけで、
少しでも楽しかったって思ってくれるだけで
それだけで、嬉しいって私が思えるから。
だって、好きな人が嬉しかったら、私だって嬉しいもん。
今だけは、楽しんでいいかな。
告白は、少しだけ忘れてもいいかな。