お前、俺のこと好きだろ?



「それで。どうだったの?」



貴音にいきなりそう聞かれて、ドキッと嫌な音を立てる胸。



「あは……実は、」



昨日、高畑くんに告白しようと思った。

勇気を出した。


ずっと前から好きでした。って
伝えようと思ったのに、


いざ、“ 好き ”と伝えるとなると、喉に何かが引っ掛かったみたいに、言葉が出てきてくれなくて。



『あのね、高畑くん……』



『なに?』



『……っ、や、やっぱり何でもない!』



どうしても、やっぱり……言葉にできない。


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