お前、俺のこと好きだろ?
おっ、ちゃんとノートとってるのかな?
なんて思えば、高畑くんはシャープペンシルを置いて、書いていたルーズリーフらしき紙を片手で持ってマジマジ見ている。
なんだ、ちゃんと板書してると思えば、違うのか。
まぁ、高畑くん、頭いいもんね。そうだよね。
「橘、走れ~!」
先生が、急かすようにそう言うのが聞こえた。
10分完走するくらいなら、グラウンドからでいいから、高畑くんを見ていたいよ。
なんていう、私の願いも叶わずに、息切れしながらも10分完走を走り切った。