お前、俺のこと好きだろ?



おっ、ちゃんとノートとってるのかな?


なんて思えば、高畑くんはシャープペンシルを置いて、書いていたルーズリーフらしき紙を片手で持ってマジマジ見ている。



なんだ、ちゃんと板書してると思えば、違うのか。


まぁ、高畑くん、頭いいもんね。そうだよね。



「橘、走れ~!」



先生が、急かすようにそう言うのが聞こえた。


10分完走するくらいなら、グラウンドからでいいから、高畑くんを見ていたいよ。



なんていう、私の願いも叶わずに、息切れしながらも10分完走を走り切った。


< 341 / 376 >

この作品をシェア

pagetop