お前、俺のこと好きだろ?



「……なんで?」



「松村が、凄い形相で廊下走ってたから」



あぁ、なるほど。それで、気になった高畑くんは、貴音に聞いたってわけか……。



……貴音、ありがたいけど、これはありがたくないよ。
絶対、バカにされるよ。


私の怪我を心配するような人じゃないんだよ、この人は。


絶対……。


チラッと視線を上へあげて、高畑くんを見る。



「……ほんと、ダサい」



ほらね……!
この人、バカにしてくるんだから。

「大丈夫?」っていう言葉も出てこないんだよ、高畑くんは。


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