Dear,you
やっと完成させた医療ロボットと、しょうやは病院の廊下を歩いていく。

少し薬品臭い病院の患者には、兄と年の離れた妹に見えるのだろう。微笑ましく見られている。

そんな中、しょうやは早織と医療ロボットを完成させた瞬間の会話を思い出していた。

























「完成だよ。」

しょうやの目には不安げな早織が映る。

「しょうや、お疲れ様。」

しょうやは満面の笑みを見せる。

「そんな不安げに言われても困るなー。大丈夫。きっと上手く行くさ。」

早織もその言葉と表情に安心したのだろう、ホッ
と息をつく。

そんな早織にしょうやも安心した。

「 なぁ、早織。このロボット、実は----」


次の言葉に早織は絶句する。


















「ココロが入っているんだ。」







唖然としていた早織がワンテンポ遅れて言葉を発した。


「はぁ!?あんたロボットにココロなんて入れたら、ロボットが看護を辞めて医療用じゃなくて戦闘用になる可能性もあるじゃない!?」

早織の怒鳴り声を聞くのは何度目だろうか

「どうせまた怒鳴ってんなーノホホーン。なんて思ってるんでしょう!?」

「ははっ。ばれたか★」

「大丈夫なの!?このロボット‼」

「大丈夫だよ。このロボットは人の楽しいことや悲しいことを敏感に感じて、人間に危害を加えないように設定したからな‼」

早織はため息をつく。

「ならいいけど……あんた本当に凄いわね……」

「ドヤァ‼やっぱり天才は違うなぁ✨」

あ、早織のキレる音が聞こえた。

「あんたねぇ…………」

あ、ヤバイ……ヤバイ‼‼眼鏡割られる‼‼



早織がキレてる。怒鳴られる前にこのロボットと病院へ逃げなければ‼

「じゃあ、病院行ってきますーーーーー‼」

「こら待てぇぇぇぇぇぇ‼‼」
















もう苦笑いするしかないな。

病院のイスに座りながら苦笑いしているしょうやをロボットが不思議そうに見ている。

そんなロボットの頭に手をのせ、
「なぁ、これからお前が会う子はお前の親友だ。仲良くしてやれよ?」

ロボットだが人間らしい、女子の甲高いような声が響く。


「任せてください。必ずしょうや様のお知り合いの方の親友になりますから。」






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