Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~



「よし。俺も出陣すっか」



兄はそう言うと、七倉さんが立つステージへと向かう。



兄がステージに立つと、がなり声みたいな歓声が沸き上がる。



決して一般受けしない兄は、けどマッシー教と呼ばれるほどに、熱狂的なファンがいた。



ステージの上に立った兄は、威嚇するゴリラのごとく、両手で自分の胸筋を叩いて雄叫びを上げた。



今度のバトルは七倉 vs マッシー。



兄は羽織っていたライダースジャケットを脱ぎ捨てて、七倉さんを指差した。



「七倉ー!お前みたいなお上品なMCするヤローなんかに、俺は負けねー。死ぬ気でかかってこい!!」



「こんなとこで死ぬつもりはありませんよ。俺はまだまだ上にいく」



七倉さんはにっこりと笑うと、うっとりするような綺麗な声で言った。



「悔しいが、イケメンだな。けど覚悟しろ。この場にいる女全員の膝がガクガクするほど最高のrapをかますのは俺だ!」



鼻息荒くいきがっていた兄は、



あっさりと七倉さんに負けた。




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