Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~
「遅いから、送るよ」
そう言って、ちらりと兄を見た七倉さんは、カウンターの奥にいる伊織さんに声をかけた。
「伊織さん」
「わかってる。こいつがバトルに負けてふて寝するのはいつものことだ。俺に任せろ」
コーギーを出ると、どちらからともなく手を繋いで、夜道を歩いた。
機嫌がいいのか、七倉さんは鼻唄を歌ってる。
ただの鼻唄も、七倉さんが歌うと素敵なラブソングに聞こえる。
「今なら最高の曲ができそうだ」
星が瞬く夜空を見上げる七倉さん。
その瞳は、星のように輝いている。
綺麗な横顔に見とれていると、七倉さんは星から視線をそらして私を見た。
強い眼差しに見つめられて、ドキッとする。
「雛子ちゃんがここにいる。それだけで新しい音が生まれる」
目を細めて優しく微笑んだ七倉さんに、ドキドキが止まらない。
「俺を好きになってくれて、ありがとう」
心に染みるような温かい言葉に、嬉しくて頬が熱くなった。