Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~
調子に乗った俺は、事務所に内緒でインディーズでアルバムを出そうと動き始めた。
その頃、コーギーで仲良くなったラップ仲間に曲の感想を聞きたくて、試し打ちした音とリリックを見せた。
「じっくり聴きたいから、家に持ち帰らせて」
そう言って、そいつと別れた数日後、
コーギーとは別のクラブで、聞き覚えのあるリズム。聞き覚えのあるリリックが聞こえて思考が停止した。
間違えるはずがない。
何週間も試行錯誤して作り上げた曲。
けど歌ってる声は、俺じゃなかった。
この声は、
DJブースにもたれるように立ち、にやにやと俺を見る男に気づいて、そいつの元に行った。
「止めろ」
ブースの中のDJに告げる。
「それは俺の曲だ。止めてくれ」
俺の様子を舐めた目で見ていたそいつは、
「は?なに言ってんだ、お前?頭、大丈夫?」
バカにしたようにいった後、
「お前がダサいアイドルだって、今すぐここでばらしてやろうか?」
俺の耳元で、そう言って脅した。