Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~
突拍子もない言動で、何度も俺の記憶を崩壊させたり、
記憶から抹消したいくらいに恥ずかしいハプニングに巻き込まれたり、
最高の女の子に出会わせてくれたり。
コーギーのカウンターから、ふらふらと顔を上げたマッシーさんに水を渡す。
「大丈夫ですか?」
焦点の合わない目でグラスを受け取り、飲み干すマッシーさん。
「雛子は?」
泥酔していても、雛子ちゃんのことは忘れないらしい。
「安心してください。ちゃんと家まで送りましたから」
その言葉を聞くと、力が抜けたみたいに、またカウンターに突っ伏すマッシーさん。
「ななくらー!」
突っ伏したまま、マッシーさんが俺を呼ぶ。
「最高に悔しいが、最高に楽しかったぞ」
「俺も楽しかったです」
「ななくらー!」
「だから何ですか?」
「20歳まで雛子に手ぇー出すんじゃねーぞ。てぇ出したら、ぶっ殺す!」
ろれつの回らない声でそう言うと、マッシーさんはイビキをかいて寝てしまった。
参ったな。
マッシーさんの言葉じゃ、従わないわけにはいかない。
何だかんだで、この人には恩があるから。
「分かってます。ちゃんと良い子で我慢しますよ」