Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~
「お願いします。つきあってください!」
大通りのど真ん中で、右手を差し出して頭を下げる私に、梨央さんはぎょっと目を見開いた。
「はぁ?あんた、何言ってんの?」
一歩後ずさりしながら動揺する梨央さんに、テレビで視るときのようなクールビューティーの面影はない。
けど、どうしても梨央さんに話が聞きたかった私は、畳みかけるように「お時間はありますか?」と聞いた。
私の勢いに飲まれるように頷く梨央さん。
そんな梨央さんの細くしなやかな腕を掴むと、近くのコーヒーショップに入った。
「本当、あななたち兄妹、うんざりするほど似てるわね」
お洒落なタンブラーに入ったコーヒーを一口飲んだ後、梨央さんは呆れたように溜息を吐いた。
「本当に、ごめんなさい!」
お店に入り、冷静さを取り戻した私は、目の前で長い脚を組んで座る梨央さんに平謝りした。
「今を逃すと、今度はいつ梨央さんに会えるか分からなかったものですから」
「つい最近、雅高から全く同じこと言われたわ」
身を小さくして謝ると、梨央さんは「しょうがないわね」っていうように肩をすくめた。