Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~
それぞれの葛藤
―side nanakura-
ソロアーティスト七倉ハルとして音楽番組に出演するため、テレビ局に来ていた。廊下を歩いて控室に向かう途中、
「ハル!」
後ろから声をかけられた。振り返った先にいたのは、
「晋平さん」
アングラなヒップホップ界で、神と呼ばれている栗林晋平(くりばやししんぺい)さん。彼は芸能界、ヒップホップ界だけじゃなく、高校、大学のガチの先輩。
「お久しぶりです」
「今日は一人か?珍しいな」
晋平さんは人懐っこい笑みを浮かべて、俺の肩に腕を回した。
「珍しいと言や、お前がクラブで女といるのを見かけたぞ。趣味が変わったな。お前、いつからガキ専になった」
からかうような晋平さんの口調にムッとする。
この人は音楽家としては尊敬するけど、人の気持ちを逆なでして面白がる、悪い癖がある。感情が顔に出たんだろう。
「怒るなよ。それより最近、俺も初心に帰ろうとバトルに参加してんだ。ハル、また俺とバトルしようぜ」
俺の肩をポンポンと叩いて軽くなだめた晋平さんは、足取り軽く、廊下の向こう側へと消えて行った。
ソロアーティスト七倉ハルとして音楽番組に出演するため、テレビ局に来ていた。廊下を歩いて控室に向かう途中、
「ハル!」
後ろから声をかけられた。振り返った先にいたのは、
「晋平さん」
アングラなヒップホップ界で、神と呼ばれている栗林晋平(くりばやししんぺい)さん。彼は芸能界、ヒップホップ界だけじゃなく、高校、大学のガチの先輩。
「お久しぶりです」
「今日は一人か?珍しいな」
晋平さんは人懐っこい笑みを浮かべて、俺の肩に腕を回した。
「珍しいと言や、お前がクラブで女といるのを見かけたぞ。趣味が変わったな。お前、いつからガキ専になった」
からかうような晋平さんの口調にムッとする。
この人は音楽家としては尊敬するけど、人の気持ちを逆なでして面白がる、悪い癖がある。感情が顔に出たんだろう。
「怒るなよ。それより最近、俺も初心に帰ろうとバトルに参加してんだ。ハル、また俺とバトルしようぜ」
俺の肩をポンポンと叩いて軽くなだめた晋平さんは、足取り軽く、廊下の向こう側へと消えて行った。