Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~
意外な一面
電車に飛び乗り、渋谷駅で降りる。
スクランブル交差点を渡って、人の波をすり抜けるように道玄坂を走った。
目指すビルの前には、もう七倉さんが待っていて、
「早かったね」
そう言って、私の頭をポンポンと撫でた。
「今、休憩中なんだ」
そう言って、ビルの細い階段を上る七倉さんの後を着いていく。
部屋の床はフローリングになっていて、大きな鏡があるスタジオだった。
「ジュースでいい?」
七倉さんは、スタジオの隅にある冷蔵庫の中を覗きながら聞く。
私はと言えば、スタジオの中に入った瞬間から、スタッフさんや七倉さんのバックダンサー。バックバンドの方々の視線を感じて、居心地悪く縮こまっていた。