Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~
「ちょっと歩こうか?」
腰に巻いた黒いパーカーを羽織った七倉さんがいった。
「うん」と頷いて、2人で道玄坂の裏通りを歩く。
触れるか、触れないかの距離を保って歩く七倉さんに、もどかしさを感じる。
こんな時、七倉さんが芸能人じゃなかったら、堂々と手を繋いで歩けるのにって。
寂しくて俯くと、暖かくて大きな手が私の手を包み込んだ。
びっくりして見上げると、優しい目でこちらを見つめる七倉さんと目が合った。
「久しぶりのデートだね」
綺麗な七倉さんの声が、私の鼓膜を震わす。
ドキドキして言葉がでない。
「ごめんね。いつも寂しい思いをさせて」
まるで心を見透かすような、七倉さんの言葉。
「とても目に見えづらいし、形にするのが難しいときもあるけれど。俺はいつだって雛子ちゃんのことを考えていて、心はいつも雛子ちゃんに寄り添ってる。
そのことを忘れないでいてほしい」