Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~



「当たり前だよ。君は誰よりも魅力的な女性だ」



臆面もなく言い切る七倉さんに、私の方が赤面する。



「だったら何で……?」



私を求めようとしないんですか?



聞きかけた言葉は、



「我慢するの、大変なんだよ」



おどけたように告白する七倉さんに、先回りされた。



ドキドキと鼓動がうるさい。



茹でダコみたいに耳まで真っ赤になっているだろう。



だって耳の先まで沸騰したみたいに熱いから。



けど、



恋に。七倉さんに溺れそうになる私に、待ったをかける声がする。



「テニスに恋は不要だから」



横峯さんの声。



そして苦しそうに流した涙。



私にとって、テニスも恋も大切なもので、必要だけど、



七倉さんにとって、私との恋愛は『不安材料』なんじゃないかって、横峯さんの言葉を聞いてから、ずっと心配だった。



芸能人と一般人。



そんなのSoul Loversの七倉ハルにとって、マイナスになってもプラスにはならないって分かるから。



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