Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~
ソロとして初の全国ツアーが始まる前日、晋平さんに呼び出された。
待ち合わせ場所は、昔、よく晋平さんに連れてってもらっていた、カフェが併設されたレコード屋。
レンガ造りのレトロな建物のドアをくぐると、カランと硬質なベルの音がした。
「悪いな。忙しいとこ呼び出して」
片手を上げてそう言った晋平さんは、全く悪びれていない。
「ふー」と呆れたため息を履き、、晋平さんの目の前の椅子に座ると、
「久しぶりっす」
晋平さんの隣に座る、キャップを目深に被った大柄な男が、萎縮するようにペコペコと頭を下げた。
無言でそいつを一瞥すると、そいつは卑屈な笑みを浮かべた。