Soul Lovers2~あなたの笑顔を守りたくて~
険しい顔で晋平さんが座る席に戻る。
晋平さんは「まいったな」って顔で、自分の鼻の頭をポリポリと掻いた。
「なんであいつを俺に会わせたんですか?」
「うーん」と少し考えたあと、晋平さんが言った。
「ルキが厄介なことを企んでるって聞いてな。直接、七倉と話せば、丸く収まるんじゃないかと思ったけど、火に油だったな」
ははっと空笑いする晋平さん。
その頭部を本気でぶん殴りたい。
「笑い事じゃないんですけど」
あの目は本気だ。
本気で雛子ちゃんに何かする気だ。
「俺も出来るだけのことはする」
いつになく真剣な晋平さんの声。
「全てはバカなことをしたルキの責任だ。けどな七倉。あいつはマッシーにクラブで殴られた日から、仲間から弾き出されて、ライブやイベントにも呼ばれたくなった
居場所を失った人間の痛みは、失った者にしか分からない。
辛いもんだぜ。かつての仲間と笑い合えない日々は」