君が好き~16歳ママの恋~
「オレ、お前が好きだ」
「ごめん」
ストレート。
でもね、答えは決まってたよ。
「今はお付き合いとか考える気ないの。誰ともね」
「それでいいんだ。
たぶん、オレが好きになったのは、夢羽ちゃんといる時のお前だから」
「それだけじゃない。
橘くん、人気者でしょ?
子持ちの私となんて、変に噂立つだけだよ?もったいない」
橘日向は、なんとも思ってない。
けど、私のせいでこの人が嫌な思いをするのは、イヤだ。
なんか、おかしくなったな、私。
「そんなの、誰が決めるんだ?
オレは、全部わかっていて、それでもお前が好きなんだ。
この気持ちは、誰かに決められたものじゃない」
なんで?
なんで、そんな事言うの?
断りきれなくなっちゃう。
ううん、それよりも、私自身のこの感情に名前をつけるのが、怖い。
「夢羽、帰るよ」
「はあい」
抱っこを求める夢羽を抱きしめた。
今は、この子以上に好きになる可能性がある存在を、作りたくない。