君が好き~16歳ママの恋~
「え……」


藤咲もオレに気づいたらしい。


「ままあ?」


「あ」


藤咲は女の子を抱き上げ、慰めている。


まま……?いや、他に誰か……。いない。


クラスでも目立たない女子の藤咲。


街中ですれ違っても、きっと気づかないだろう。


決して異性関係の噂は聞かない彼女が、母親?


そんなわけがない。


藤咲ははっとしたように、女の子を抱いたまま去っていった。


彼女の後ろ姿は、かげろうの中に消えた。
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