君が好き~16歳ママの恋~


「夢羽、ママがいいよって言うまで、おめめつぶっててくれる?」


夢羽をベンチに座らせて、立った。


「うん!」


疑うこともせずに、素直に両手で目を覆う。


うーん、どうしよう。

やっぱり、これかな。


「藤咲?」


不思議そうな橘日向の唇に、私のそれを重ねた。


「これ、ファーストキスだから」


「は?」


「彼氏はいたけど、キスはまだだったの」


夢羽を抱き上げると、目を開けてキョトンとしている。


どんな時でも、夢羽は世界一かわいいな。


「そんなに言うなら、付き合ってあげてもいいよ。

でも、デートにはおまけつきだからね?」


橘日向は、驚きで見開いてた目を細めた。


「めっちゃ、うれしい」


その時、橘日向の顔が赤く見えたのは、きっと夕日のせいだよね?


< 31 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop