君が好き~16歳ママの恋~
「夢羽、ママがいいよって言うまで、おめめつぶっててくれる?」
夢羽をベンチに座らせて、立った。
「うん!」
疑うこともせずに、素直に両手で目を覆う。
うーん、どうしよう。
やっぱり、これかな。
「藤咲?」
不思議そうな橘日向の唇に、私のそれを重ねた。
「これ、ファーストキスだから」
「は?」
「彼氏はいたけど、キスはまだだったの」
夢羽を抱き上げると、目を開けてキョトンとしている。
どんな時でも、夢羽は世界一かわいいな。
「そんなに言うなら、付き合ってあげてもいいよ。
でも、デートにはおまけつきだからね?」
橘日向は、驚きで見開いてた目を細めた。
「めっちゃ、うれしい」
その時、橘日向の顔が赤く見えたのは、きっと夕日のせいだよね?