君が好き~16歳ママの恋~
それから数日後のことだった。
「夢羽、お出かけするよ」
「わあい!」
お気に入りのワンピースを着た夢羽は、両手を高く上げた。
「最近、よく出かけるね。どこに行ってるの?」
あ、家族にはまだ言ってなかったっけ?
「デート」
「は?!」
「え?!」
聞いてきたお姉ちゃんだけではなく、お父さんとお母さんも驚いてる。
まあ、当然か。
「いつのまに……」
「わりと最近だよ。クラスの男の子なの」
「華恋、デートに夢羽を連れていくのはちょっと……。
相手にも迷惑でしょ?」
「大丈夫だよ、お母さん。
日向は夢羽のことかわいがってくれてるから」
ショックだったのか放心していたお父さんが、やっと口を開いた。
「そ、そいつとは、その、結婚とか、考えてるのか?」
「お父さん、しっかりして。
まだそこまで進んでないから」
「夢羽は預かっていようか?今日くらいは」
「ううん、大丈夫。
それよりも、お姉ちゃんには、お兄ちゃんが帰ってきた時にお兄ちゃんの相手してほしいかな」