君が好き~16歳ママの恋~
《日向side》
どうなってんだ?
デートで動物園に来た。
華恋に話しかけてきた男がいた。
華恋はそいつのことを嫌ってるみたいだったから、
きっと、あの男が夢羽ちゃんの父親だろうな。
で、あの男がどこか行ったと思ったら、華恋は顔色を悪くしてトイレに入っていった。
「まま?」
あ、夢羽ちゃんには知られたくないよな。
「ママは具合悪いって。ここで待ってような」
夢羽ちゃんはオレの目をじっと見た。
「おにーちゃんは、ムーのぱぱ?」
うわあ、かなりストレートにくるな。
「違うよ。でも、いつかはそうなりたいな」
夢羽ちゃんの頭に、はてなマークがいくつも見える。
そうだよな。まだ小さい子にはこういう事言っても意味ないか。
「夢羽ちゃんは、ママ、好き?」
「うん!あんねえ、ままね、かなしいっておかおになるときがあるの。
だからね、ムーがまもってあげるんだあ」
夢羽ちゃんにも分かるくらい、何かを考えて、辛いと感じている時があるんだ。