君が好き~16歳ママの恋~
《華恋side》
動物園の帰り、やっぱり最後は、いつもの公園だ。
夢羽ははしゃぎすぎて疲れたのか、ぐっすり寝ている。
寝顔もかわいい。
「日向、私の元気の素、見せてあげようか?」
「夢羽ちゃんじゃねえの?」
「そうなんだけど」
バッグの中から、小さなアルバムを出した。
「これが、お腹にいる時の夢羽。エコー写真」
「すげー」
「これ撮った時のこと、今でも覚えてるんだ」
あの時、すごく、うれしかったな。
『おい、動いてるぞ』
『お兄ちゃん、静かにしてよ。ここ病院』
『とか言って、華恋は感動しすぎだ。泣いてんじゃないか』
『だって……』
うれしくて、涙が溢れ出てきた。
次の写真には、
ベッドの上で夢羽を抱いて笑っている私と、
達筆すぎる字で夢羽と書かれた紙を持っているお父さんと、
ほかの家族ももちろんいる。
「で、これが、生まれてすぐの時。
夢羽って名前、考えたのは私だけど、
書いてくれたのはお父さんの知り合いの書道家の先生」