君が好き~16歳ママの恋~
《華恋side》


うそでしょ?!


日課である夢羽との散歩。


家は学校から離れているから、安心していた。

近所の公園なら、遊具もさびているような公園だから、きっと誰にも会わないだろうと。


それなのに、そこに行くまでの道で、クラスメートに会ってしまった。


友達がいない私でも知ってる人だった。


成績優秀、スポーツ万能、顔も性格もいい。


と、言われている橘日向だ。


「はあ……」


ため息が出てしまう。


今は部屋だからできる。家族の前でため息ついたら、心配させてしまうからね。


夢羽を産んだことを後悔しているわけじゃない。


学校生活、終わったな。


まあいいか。

望んで通ってたわけじゃないし。お父さんとお母さんには申し訳ないけど。

夢羽と一緒にいる時間が長くなるんだから、これ以上にうれしいものはないよ。


「華恋、入るよ」


部屋のドアがノックされた。お姉ちゃんだ。


お姉ちゃんは、5歳年上の21歳。


今はお母さんの会社を手伝っている。


あ、お母さんは誰もが知っている化粧品会社の社長なの。
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