君が好き~16歳ママの恋~
放課後、華恋はチャイムと同時に教室を出た。
相変わらずはやいな。
「華恋、一緒に帰ろう」
「あ、でも……」
華恋は周りを見る。
そんなの、分かってるよ。
「夢羽ちゃんを迎えに行くんだろ?」
小声で確かめた。
華恋は何も答えずに、歩き出す。
だんだん、華恋の感情が行動だけで読み取れるようになってきたな。
幼稚園に着くと、周りからの視線が気になった。
高校生が幼稚園にいるからか。
でも、だからって、そんな冷たい目線を向けて、あからさまにコソコソ言い合うか、普通?
「まま!あ、おにーちゃんもいる!」
「夢羽、いい子にしてた?」
「うん!」
華恋、気づいてないのか?
普通に夢羽ちゃんを抱きしめてる。
「ありがとうございました」
幼稚園を出る。
どうしよう。
さっきの、言っていいのか?
でも気づいてないなら、そのままの方が……。