君が好き~16歳ママの恋~
《日向side》
12月に入り、寒さが厳しくなった。
学校が終わると、2人で夢羽ちゃんを迎えに行くのが日課になってた。
夢羽ちゃんは、その後いつもの公園で遊ぶのも忘れない。
タイムリミットが近づくなか、3人で小さな幸せを感じていた。
それなのに……。
「華恋、帰るよ」
教室でのこの光景も、クラスメートは見慣れたようだ。
はじめはからかわれて、その度に赤くなる華恋を見て、
あとでめっちゃ怒られたけど。
今では、誰も何も言わない。
「華恋……て、どうした?」
華恋は慌てたように何かを探してた。
「アルバムがない……」
押し殺した声の答えが返ってくる。
「今朝寝坊して、バッグのなか見てないから、忘れてきたのかもしれないけど……」
「一緒に探すよ」
「ううん、大丈夫。
家で探してなかったら、明日また探すから」
夢羽ちゃんの成長の証のアルバム。
いつも大切そうに持ち歩いていたから、それがないと、やっぱり不安なんだろうな。